嘴
何かが終わって
なにかが始まる朝
静かに、カーテンの向こうが明るくなっていって
眠りにつけないけれどつらくもなく
薄く目を開いてその光を見る
その光の中で自分の指を見る
ここにカラダがあって、
私を苦しめていたはずのものが
はっきりと見えた
それは誰のものでもなく、自分のものだと分かる
もう誰に振り回される必要もなくて、
ここに自分のカラダがある
この安心感に任せて
それを自分の意思で
ぱちん
と消してみる
魅力的に輝いていた鋭い光はふわっときえて、
息のできるほどの朝日が部屋を充たす