テトラポットの政

ひとりごと、ことばの新陳代謝

思考の上の空

あの人と公園を歩く

お互いほとんどしゃべらない

機嫌が悪い訳でもない

性格が似すぎてて

何か言ったら

言われたら

機嫌悪くなりそうだからだまっていた

そのほうがいい

 

しゃべるためじゃないとはいえ、

散歩しようという

唐突の誘いに

ちょうど時間があったって

はるばる来てくれて

あたりさわりの無いことしか

しゃべらない

 

フードかぶった大人がふたり、

年の瀬の公園を歩く

あの人はいかついジャケット着てるから

こわい人にしか見えない

 

感情の距離がちかくて

近いからへたに会わないようにしてて

お互いのことをすごく分かったようで居る

それがまったくの勘違いでも

何の問題も無いくらいの執着だから

恋人にはきっとならない

 

空が綺麗で

うすめた牛乳のなかに入れたかすかなピンク色の

色素が青色の色素とまざらずに

境界もあやふやなまま

層になった

葉っぱの全ておちた茶筅が

それをかき混ぜないように

ぴんとはりつめながら上を向く

 

上の空に

空を見ながら

お互いを見ずに

じぶんのことをかんがえていた

 

ひとりと

ふたりは

あやふやに